鶏の免疫応答におよぼすカーボンおよびカラジーナンの影響

概要

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マクロファージに対し,細胞毒性のないカーボンと,細胞毒性を有するカラジーナンを用い,鶏における免疫応答におよぼす影響を検討した.1) カーボンの注入経路の違いによる影響に関しては,静脈内に注入した場合は抗体産生を抑制するが,腹腔内に注入した場合は効果が認められなかった.2) カーボン処理した鶏では,赤血球抗原による免疫後7日目のIgGとIgMの抗体価(loge2)は,それぞれ0.80±0.78と2.61±1.57であり,対照区のそれぞれ3.0±1.82と6.0±1.82に比べて抗体産生が有意に抑制された.二次応答ではIgG抗体の産生のみが有意に抑制された.3) カラジーナンを静脈内に注入した鶏では,一次応答において赤血球による免疫後7日目のIgGとIgMの抗体価(log2)は,それぞれ0.14±0.53と3.71±1.72であり,対照区がそれぞれ2.20±1.22と5.44±1.94であるのに比べて,抗体産生が有意に抑制された.しかし,二次応答ではIgG抗体の産生のみが有意に抑制された,4) カーボン処理とカラジーナン処理で,非常によく似た結果が得られた.この結果から,マクロファージに対する毒性は,マクロファージ依存性の免疫応答を抑制するために,必ずしも必要な条件ではないものと考えられる.
社団法人日本畜産学会の論文