家兎赤血球の新エステラーゼXの遺伝変異に関する研究
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概要
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家兎赤血球ついてスターチゲル電気泳動を行い,4-メチルウンベリフェロンの酢酸エステルを基質としたEs-Dアイソザイムの検出を試みた.その結果,ゲル板中心部に7本の主要バンドからなるEs-Dの発光帯を見い出したが,いかなる変異をも認められなかった.しかし,Es-Dより陽極側,原点から7〜8cmの位置に非常に弱い色調を示すが,明確に識別し得るアイソザイムを見い出した.Es-Dは常温で数分後に確認されるが,この発光は10〜15分後であり,Es-Xと名付けられ,3つの異なる表現型(それぞれEs-X1, Es-X2, Es-X2-1)に分類される.その遺伝様式は共優性の2対立遺伝子Es-X1とEs-X2が推定され,日本白色種94匹とアンゴラ種19匹についてその分布を分析したところ,これらの2集団の間に有意差がみられた(X2(1)=5.412, P>0.02).すなわち日本白色種では表現型Es-X1; 52%, Es-X2-1;22%, Es-X2; 25%,推定遺伝子頻度はEs-X1 O,6330±.0352, Es-X2 0.3670±.0352である.一方アソゴラ種では表現型においてはEs-X1; 21%, Es-X2-1; 47%,Es-X2; 31%となり,遺伝子頻度Es-X1 0.4474±.0807,Es-X2 0.5526±.0807が推定される.これらの結果は,アイソザイムEs-Xを個体識別とか品種の集団構造の解析に有用な標識因子として利用し得ることを意味している.
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