蒸熱条件の違いによる茶葉色の変化 : 第1報蒸気量の多少と茶葉色

概要

論文の詳細を見る
蒸気量の多少が茶葉色の変化にどのような影響を与えるか,生葉及び蒸葉の第2葉目を色差計で測定した。その結果は次のとおりであった。 1) 生葉の表裏の色合いは明らかに違ったが,蒸葉は生葉の裏面色に近付く形で表裏の色合いがほぼ近似した。また,表裏の近似程度は蒸気量による影響が認められた。 2) 蒸葉の明度は,一度やや高くなるが蒸気量70kg/h以上では,生葉裏面の明度付近で変化しなくなった。 3) 蒸葉の色相は,生葉よりわずか緑みを増すが,蒸気量による変化は認められなかった。 4) 蒸葉の彩度は,蒸気量の増加につれて最初高く徐々に低下し再び高くなるが,その程度は極くわずかであった。 最後に,取りまとめにあたり御指導頂いた農林水産省茶業試験場の岩浅潔博士及び当所坂田寿生所長に深甚なる謝意を表します。
日本茶業技術協会の論文