茶芽の熟度と成分変動
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概要
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一番茶と三番茶を対象に茶芽の熟度による成分変動を解析した。<BR>1)一般化学成分と無機化学成分含量を調べた結果,全窒素,タンニン,カフェイン,可溶性窒素,遊離アミノ酸含量は初期の茶芽に多く含まれ茶芽の熟度が進むにつれて徐々に減少した。<BR>2)カテキンのガレートは一番茶,三番茶ともに初期の茶芽に多く,熟度が進むにつれて徐々に減少したが,(−)-エピガロカテキンは逆の傾向を示した。<BR>3)遊離アミノ酸類は熟度が進むにつれて減少したが,アルギニン,セリン,テアニンはとくにその傾向が強かった。<BR>4)ペクチン含量は水溶性,塩類可溶性とも初期のものが少なく,熟度が進むにつれて徐々に増加した。<BR>5)無機成分含量のうちリン酸,カリウムは熟度が進むにつれて著しく減少した。カルシウム,マンガン,アルミニュウム含量は僅かに増加した。微量成分含量は亜鉛,銅は初期のものに多く含まれ,茶芽の硬化とともに減少して行くことが認められた。<BR>本試験を行うに当たり,試料の採取,分析に御協力いただいた天野いね氏に,また,無機成分分析に御指導をいただいた土壌肥料研究室長石垣幸三博士に深甚なる謝意を表す。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
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阿南 豊正
農林水産省野菜・茶業試験場
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池ケ谷 賢次郎
農林水産省茶業試験場
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高柳 博次
農林水産省野菜・茶業試験場
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中川 致之
農林水産省茶業試験場
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阿南 豊正
農林水産省 野菜・茶業試験場
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高柳 博次
農林水産省茶業試験場
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