九州地城における兵庫県産種雄牛の産肉形質に関する遺伝的評価
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概要
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1977年から1980年の間に鹿児島,宮崎,大分および長崎の各県畜産試験場で実施された黒毛和種産肉能力検定間接法の成績を用いて,九州地域に導入された兵庫県産種雄牛の1日平均増体量,ロース芯面積およびロース芯脂肪交雑に対する育種価をHENDERSONの種雄牛間の血縁係数行列の逆行列をとりいれたBLUP法を用いて推定した.材料は23頭の兵庫県産種雄牛を父親にもつ179頭の去勢子牛の記録であった.種雄牛は父親の血統から田安系と茂金系の2つの系統群に分けられた.BLUPのための混合モデルには母数効果として検定場所効果と系統群効果,変量効果として種雄牛効果をとりいれた.得られた結果を要約すれば次のとおりである.1) 田安系に属する種雄牛間の平均血縁係数は23.3%,茂金系に属する種雄牛間の平均血縁係数は15.9%であった.また田安系と茂金系の種雄牛間にも平均5.8%の血縁関孫が認められた.2) 系統群効果(Gi)では,田安系(G1)が茂金系(G2)にくらべて1日平均増体量およびロース芯脂肪交雑においてすぐれていたが,ロース芯面積にはほとんど差がなかった.3) 種雄牛の育種価を(Gi+Šij)によって推定し,これによって種雄牛の序列をつけると,1日平均増体量については一般に田安系に属する種雌牛の育種価の方が茂金系の種雄牛よりもすぐれている傾向が認められた.ロース芯面積については系統群間の差よりも種雄牛個体間の差の方が大きかった.ロース芯脂肪交雑については田安系の種雄牛が茂金系の種雄牛より圧倒的にすぐれていた.4) 種雄牛分散成分と誤差分散成分の最尤推定値を求め,種雄牛分散に対する誤差分散の比(k)について検討を行った.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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