緑茶用主要品種の特性について (第4報) : 定植3年目における初回せん枝後の新枝条の発育 (第I群)
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概要
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第3報に引続き,I群に供試された13品種の定植3年目における初回せん枝後の新枝条の発育について調査し,品種の生育ならびに収量特性の基礎資料を得ようとした。<BR>結果の概要は下記のとおりである。<BR>1初回せん枝当時の株や枝の状態<BR>(1)株張りの大きさには品種間差がみられた。試験1ではとくにゆたかみどりやかなやみどりが優れ,あさつゆは劣った。試験2ではとくにさやまかおりが優れ,さみどりこまかげあさひなどは劣った。<BR>(2)1株当たり枝数にも品種間差がみられた。試験1ではかなやみどりが顕著に多く,あさつゆは少なかった。試験2ではとくにやぶきたおくみどりさやまかおりなどが多く,こまかげとさみどりは少なかった。<BR>(3)せん枝部位の切口径の大きさにも品種間差がみられた。試験1ではゆたかみどりが最も大きく,あさつゆは小さかった。試験2ではさやまかおりが最も大きく,ここうとうじひかりは小さかった。なお,これら切口径の変異係数は,試験1でゆたかみどりとあさつゆの大小両品種が,共に他の品種よりも小さい値を示した。<BR>2初回せん枝後5月中旬までに再生した新芽数<BR>せん枝(古枝)1本当たりの再生新芽数を品種間で比較すると,試験1ではあさつゆのみが他の4品種よりも顕著に少なく,試験2ではさやまかおりのみが他の8品種よりも多く,逆にさみどりとあさひは少なかった。<BR>3初回せん枝後5月中旬〜7月上旬〜9月上旬の新枝条数の推移いずれの品種も7月上旬から9月上旬にかけて新枝条数の増加がみられた。品種間で比較すると,試験1ではかなやみどりが終始最も多く推移し,あさつゆは最:も少なかった。試験2ではさやまかおりが終始最も多く推移し,さみどりは最も少なかった。<BR>49月上旬での伸育良好な新枝条の発生状況<BR>(1)新枝条数の品種間差<BR>試験1ではゆたかみどりが多く,逆にあさつゆは極めて顕著に少なかった。試験2ではおくみどりあさびさやまかおりの3品種が他の6品種よりも多く,ここうは最も少なかった。<BR>(2)同上発生部位の品種間差<BR>試験1ではゆたかみどりはやぶきたに比較して中部よりの発生割合が多く,上部よりの発生割合が少なかった。試験2ではとくにさやまかおりの下部よりの発生数が多く注目された。<BR>5秋の生育程度<BR>(1)樹高<BR>試験1ではあさつゆのみが他の4品種に顕著に劣り,試験2ではさやまかおりやぶきたおくみどりあさひなどが優れ,ここうさみどりうじひかりこまかげなどは劣り,両群の間には極めて顕著な差がみられた。<BR>(2)株張り<BR>試験1ではかなやみどりが最も優れ,あさつゆは最も劣ったが,やぶきだもあさつゆの次に劣った。試験2ではさやまかおりが顕著に優れ,さみどりは劣ったが,ここうの株張りは秋に好転した。
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