緑茶用主要品種の特性について(第5報) : 定植4年目の一・二番茶収量(第I群)
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概要
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前報に引続き,わが国の緑茶用主要13品種を供試して(試験1:2年生苗定植5品種,試験2:1年生苗定植9品種),鹿児島県姶良郡溝辺町で実施中の地方適応性試験の定植4年目の一,二番茶收量について以下の知見を得た<BR>11990年は供試品種の萠芽期から摘採期までに数回の降霜日が推定された。<BR>2霜害程度の品種間差では,比較的萠芽の早かったゆたかみどりとあさつゆの被害がとくに目立ち,`やまかい,`あさひ,`うじひかりなども他品種よりも被害が大きかった。<BR>3一番茶の摘採期は,`やぶきたに対する早晩差では,各品種とも全国平均と大差がみられなかったが,ゆたかみどりのみは5日遅かった(但しあさつゆとさみどり,は生存株率が他の品種よりも劣っていたので調査より除外した)。<BR>4一区当たり收量の品種間差では,試験1ではかなやみどりが顕著に他の品種よりも勝ったが,逆にゆたかみどりは一番茶で顕著に劣った。<BR>又,試験2では一番茶はさやまかhり,`ここう,`やぶきた,`おくみどりなどが優れこれらはいずれもやぶきた並みの多收であったが,二番茶ではさやまかおりとやぶきたが他の品種よりも顕著に勝っていた。しかし一方こまかげとうじひかりの2品種は一,二番茶とも他の7品種より寡收であった(但し3同様あさつゆとさみどりは調査より除外)。<BR>5試験1のゆたかみどりの一番茶減收の原因は明らかに霜害によるものであり,わく摘み調査では開葉数の多い芽の割合が他の品種よりも顕著<BR>に少なかった。<BR>6試験2の一番茶で同様に多收を示したさやまかおり,`やぶきだ,`ここう,`おくみどりの4品種間で開葉数による芽の種類別構成割合(わく摘み内の)が著しく異なっていたが,このことは今後品種の收量構成要素を分析していく上で興味ある知見と思われた。<BR>7本成績を他府県の試験研究桟関の成績と比較すれぼゆたかみどりの晩霜害による一番茶の摘採期の遅れと減收を除く他の品種の收量多寡の傾向はあまり変らなかった。
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