排卵前後におけるニワトリ卵胞顆粒層細胞の微細構造

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排卵前25時間から排卵後50時間までのニワトリ卵胞の顆粒層細胞の微細構造を観察し,次の結果を得た.1) ミトコンドリア.排卵前25時間の顆粒層細胞では,ミトコンドリアのクリステは板状で短く,少数であった.排卵前1時間と排卵後1時間のものでは,板状クリステは伸長して増加し,管状クリステが出現した.排卵後5時間から50時間のものでは,管状クリステは消失してすべて板状となり,時間の経過に伴って短くなり,数も減少した.2) 小胞体.排卵前25時間の細胞では,槽状の粗面小胞体のみが見られたが,排卵前15時間と1時間のものでは,このほかに,リボゾームの付着のゆるい小胞状の粗面小胞体と小胞状の滑面小胞体が出現した.排卵後1時間から50時間までの細胞にも,このような小胞体が見られたが,さらに,槽状の滑面小胞体も出現した.小胞体染色を施すと,これらの小胞体は互いに連絡して綱状になっていた.3) ゴルジ装置.排卵前25時間の細胞では,ゴルジ装置は大型で,核の上部に見られた.これに対して,排卵前15時間から排卵後1時間までの細胞では,ゴルジ装置は小型であったが,細胞質全域に多数散在していた.排卵後5時間から50時間までの細胞では,小型のものがやや減少し,大型のものが出現した.これらのことは,ニワトリ顆粒層細胞のステロイド合成能に関する従来の生化学的,組織化学的結果を形態面から支持するものである.
社団法人日本畜産学会の論文

排卵前後におけるニワトリ卵胞顆粒層細胞の微細構造

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