鶏の放卵におよぼすレセルピンの影響

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レセルピンの放卵におよぼす影響ならびに卵の卵管内通過時間を検索するために本実験を行なった.供試雌鶏は白色レグホーンを用い,1日14時間の点燈下で飼育した.産卵時刻は午前8時から午後5時まで毎日記録し,実験開始のすくなくとも4週間前から継続して行なった.レセルピンはBENNETT and KENDLE2)の方法によって調製し,1羽あたり1〜5mgを筋肉あるいは腹腔内に注入した.予備実験として,子宮に卵が到達してから2-3時間後に5mgのレセルピンを筋肉および腹腔内に注入したところ,ある個体は軟卵を放出し,他の個体については放卵の遅延が認められた.一方,クラッチの最終卵の場合,推定放卵時刻の3-4時間前にレセルピンを筋注した3例ではすべて1日以上(1-4日)放卵が遅延した.子宮に軟卵が存在する時期に1-5mgのレセルピンを各10羽あて筋注した結果,4mg投与区を除き各区とも軟卵の放出および放卵の遅延が観察され,全投与羽数の28%は軟卵の放出を,また20%は放卵の遅延(1-3日)が誘起されたが,それら現象と投与量との間には一定の傾向は認められなかった.なお,1日以上放卵が遅延した卵の卵殼厚は投与前に産出した卵のそれに比較して差はなく,外見上も正常卵であった.一方,本実験条件において,レセルピン投与は例外なく下痢と衰弱をともない,投与量の増加にしたがってその影響は強く現われる傾向が観察された.推定排卵時刻の2時間前にレセルピン2mgおよび5mgを筋注し,その後排卵した卵が子宮に到達するまでの時間を観測したところ,卵管通過に要する時間は両投与区とも対照に比較して約2時間長くなる傾向がみられた.
社団法人日本畜産学会の論文

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