Germfree,gnotobiotesおよびconventionalマウスにおける飼料の消化•吸収ならびに窒素蓄積におよぼす消化管内微生物の影響 : I. Germfreeおよびconventionalマウスにおける蛋白質ならびに脂肪の消化および窒素蓄積について
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概要
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飼料の消化•吸収ならびに窒素蓄積におよぼす消化管内微生物の影響をみるため,消化管内に微生物の存在しないICR系のgermfreeマウス(以下GF)と,反対に消化管内に多種多様の微生物が存在しているconventionalマウス(以下CV)に同じ滅菌CL-2飼料,および水を自由摂取させて以下のような実験をおこなった.GF群はビニールアイソレーター内で,CV群は普通の動物室内で,1ケージあたり5匹の群飼で,7週令より11週令までの4週間代謝試験をおこなった.その間,糞•尿を毎日全量採取し,-20°Cのフリーザー内に保存した後,1週間分をまとめて分析した.それらの分析値より糧蛋白質,純蛋白質,粗脂肪の見かけの消化率,および窒素蓄積率などを算出した.1) 体重,飼料摂取量,糞重量ではGF群,CV群の間に明らかな差はみられなかったが,両群とも加令にともなって体重.飼料摂取量などは増加する傾向を示した.2) GF群の粗蛋白質および純蛋白質の見かけの消化率はCV群のそれよりもやや優れていた.3) 粗脂肪の見かけの消化率においても,GF群はCV群よりもやや優れていた.4) GF群の窒素蓄積率はCV群よりも劣っており,さきの見かけの消化率における成績とは逆の傾向を示した.5) GF群の糞中全窒素にしめる蛋白態窒素(トリクロール酢酸添加により沈殿した画分)の割合はCV群のらそれよりも低く,いい換えればCV群の糞中蛋白態窒素の含有率はGF群よりも高い値を示した.以上の結果より,消化管内に存在している微生物は,宿主の動物が摂取した飼料の消化•吸収,窒素蓄積などに直接あるいは間接になんらかの影響をおよぼしているように思われた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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