ブタの背脂肪層の厚さの選抜における超音波測定法の利用について
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概要
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ランドレース種25頭を用い,超音波を利用した背脂肪層の厚さの測定法の正確性を確かめるとともに,同品種の父親13頭,母親49頭とそれらの子供285頭を用い,本方法の選抜における有効性について検討した.超音波による測定はブタの生体重が90kgになり次第行い,背から腰にかけて10cm間隔で5部位を測定した.と体での測定は,と殺直後に同じ部位を切開し,物差しにより測定し,また,24時間放冷後産肉能力検定の方法により肩,背,腰の3部位を測定した.超音波で2回反復測定した結果,反復率は各部位とも0.9以上と高く,超音波による測定値が再現性に富むことが認められた.超音波による5部位の平均値とと殺直後の5部位の平均値との相関は0.96ときわめて高く,また,産肉能力検定の方法による測定値とも0.88と比較的高い値が得られた.両親の平均値により背脂肪層の厚い組と薄い組とに分けて行った紙上選抜の結果,超音波法で測定した子供の値にも,また,と体で調べた子供の値にも組間で明確な差が認められ,超音波法での選抜の有効性が確かめられた.超音波で測定した背脂肪層の厚さの遺伝率は,父内子供の母親に対する回帰分析から,0.50と推定された.