産卵鶏の消化管内揮発性脂肪酸とその構成について
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概要
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ニワトリの消化管内で産生される揮発性脂肪酸(VFA)量と,その構成についての動態を把握する必要性から,産卵を開始してから15ヵ月を経過した単冠白色レグホーン種メスを実験動物として,消化管各部位内容物中に存在するVFAをガスクロマトグラフィーを用いて測定し,各部位におけるVFAの分画などについて検討した.その結果,消化管内VFA濃度は部位により差異がみられた.すなわち,盲腸部位が最も高くついで結直腸,〓のうの各部位であり以下,空回腸前部,同後部,十二指腸下向部,同上向部とつづき筋胃が最も低かった.また,全消化管内VFA濃度は114.62±3.28mg/gwet WT.であった.とくに,盲腸,結直腸,〓のうの各部位と十二指腸下向部から空回腸後部にいたる各部位との間では,VFA濃度にかなりの差異がみられた.消化管内VFAとしては,各部位共に酢酸(C2),プロピオン酸(C3),iso-酪酸(iso-C4),n-酪酸(n-C4),iso-吉草酸(iso-C5),n-吉草酸(n-C5)が存在することが認められた.各消化管内VFA分画のうちで,量的に最も多く存在しているものはC2でありついでC3, n-C4, n-C5, iso-C5, iso-C4の順序であった.これから,各消化管内に存在するVFAの中で主体を占めているものはC2,C3, n-C4であることが明らかになった.各VFA分画では盲腸と結直腸,〓のうを除く各部位との間に,各部位のC2濃度とC2以外の各酸濃度との間に有意差がありまた,総VFA濃度では盲腸,結直腸および〓のうの各部位と他部位との間に有意差が認められた.消化管内に存在するVFA量は〓のう,盲腸,結直腸,空回腸前部ならびに同後部の各部位に多い傾向を示した.
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