不等間隔搾乳が乳牛の乳量,乳成分および乳房炎発生におよぼす影響 : 昼間の搾乳間隔を7時間半とした場合
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概要
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搾乳作業をより合理化する目的で,通常勤務の時間内に,2回の搾乳を行った場合の乳量,乳成分および乳房炎発生におよぼす影響を調べた.実験は,不等間隔搾乳期を7.5-16.5時間,対照期を11.0-13.0時間とし,1期3週間の3期反転法で2回実施した.供試牛は実験開始時の乳量が20-38kgのホルスタイン種成雌牛をのべ14頭用いた,給与飼料は,粗飼料を一律に与え,濃厚飼料は乳量に応じて与えた.1) 1日1頭当たり平均乳量は,対照期24.8kg,不等間隔搾乳期24.2kgで,不等間隔搾乳期は平均0.6kg少なく(減少率2.4%),この差は5%水準で有意であった.2) 不等間隔搾乳期において,前回搾乳からの間隔が長い午前搾乳の乳量は,間隔が短い午後搾乳の乳量より総量は明らかに多かったが,時間当たりの乳量に換算すると少なかった.このことから,不等間隔搾乳の乳量低下の原因は夜間の分泌が抑制されたためによるようにみられたが,residual milkのcarry-overを考慮すると,そのためだけであるとは言えなかった.3) 個体の産乳能力と不等間隔搾乳による乳量減少量との関係は,乳量の多い個体ほど不等間隔搾乳の影響が大きいという傾向は明白には認められなかった.4) 脂肪,蛋白,糖および無脂固形分の含有率および生産量は,不等間隔搾乳期にいずれも低くなり,その減少は,脂肪を除いていずれも有意であった.5) 実験期間中,いずれの期間においても急性乳房炎の発生は認められなかった.不等間隔搾乳期間中のCMT scoreおよびWMT値は,対照期間にくらべて幾分高い値であった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文