山羊精子の嫌気的解糖および生存性に及ぼす炭酸ガスの影響
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概要
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山羊精子の嫌気的解糖および生存性に及ぼすCO2の影響を明らかにする目的で,実験を行った.精子は2回洗浄後Ca欠KRB液を基本とする種々の媒液中で37°C,各種CO2分圧下で2時間インキュベートし,その間のグルユース消費,乳酸生成,重炭酸塩からのCO2発生およびインキュベート後の生存性を調べた.1. 精子の嫌気的解糖はCO2分圧の上昇に伴って著しく抑制され,100%CO2下で60〜70%の顕著な抑制を受けたが,高CO2分圧下でのインキュベーションは精子の生存性に悪影響を与えなかった.2. 高分圧のCO2による代謝抑制は,少なくとも2時間のインキュベーションでは可逆的であり,高CO2分圧下でインキュベート後低CO2分圧下に移すと,精子は正常な解糖能および呼吸能を示した.3. 100%CO2による解糖抑制は,重炭酸塩濃度を改変し,あるいはトリスを添加してCO2飽和時のpHを約7.0まで高めた媒液中においても,pH6.2〜6.3の対照と同様に顕著であり,このことから細胞外pHの低下は解糖抑制の直接の原因でないことが示唆された.
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