毛皮獸に關する研究 : 第1報 狸乳に關する研究
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概要
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毛皮獸養殖場の狸延9頭につき3年に亙り約30例の分析成績及數囘の調査成績を得た。その結果分娩後5日以内の初乳を除き常乳の性質を示せば次の如くである。1cc中の脂肪球數脂肪球 48.4〜56.0 平均50.6億 脂肪球の大さ(徑) 1.2〜7.2μ 普通2.3〜3.3μ 比重(15°Cにて) 1.027〜1.055 平均1.041 水分 77.41〜83.95 平均81.05% 蛋白質 4.86〜12.32 平均8.03% 脂肪 2.01〜5.21 平均3.51% 糖分 4.20〜10.89 平均6.63% 灰分 0.80〜1.30 平均1.02% ビタミンB1 728〜909 平均820γ% ビタミンC 2.0〜7.4 平均3.5mg%上掲の如く狸乳の成分は本邦牛乳成分に比べて濃厚で特に蛋白質•糖分•ビタミンB1にあつては約倍に近きを認めた。他の脂肪•灰分•ビタミンCにあつては略々等しきを認めた。初乳は常乳に比べて稍々濃厚であつたが,然し常乳中にも同程度の濃厚乳を見ることがあつた。分娩後約80日間の乳の成分に就いて一定の變化を認め得なかつた。又年齡と乳の成分との關係も認め得なかつた。(搾乳技術の影響もあると思はれる。)個體と乳の成分との關係も認め得なかつた。(狸乳は時に甚だ濃稠で液状でないものがあつた。之は分析しなかつた。)