茶樹冠下への雨水の落下分布特性
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概要
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樹冠下での効果的な施肥技術を考えるために,樹冠下への雨水の落下状況を調べた。<BR>樹冠下ではごく一部の場所に多量の雨水が落下したのに対し,その他大部分の場所ではわずかな水量しか認められなかった。うね間にはほぼ降雨量程度の水量がむらなく認められた。また,裾部付近の落下水量は降雨量に対して特別に増加することはなかった。多量の採水量が認められた部分を観察すると,枝の一部が下に突き出したような形状をしており,樹冠面に降り落ちた雨水が枝を伝ってこの部分に集中するため局所的な落下分布を示すものと考えられた。このような樹冠下への雨水落下様式は,仕立てや降雨量の多少に関わらず同様であった。<BR>また,主幹の株元に集まる雨水の量を測定した結果,樹冠面に落下した雨の4割程度が主幹株元に集中的に流れ落ちることがわかった。<BR>以上の結果,茶園における樹冠下への雨水落下は極めて局所的であることがわかり,施肥成分の動態も場所により大きく異なると予想された。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
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辻 正樹
愛知県農業総合試験場
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金田 秋光
愛知県農業総合試験場東三河農業研究所
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金田 秋光
愛知県農業総合試 東三河農研
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金田 秋光
愛知県農業総合試験場 豊橋農業技術センター
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辻 正樹
愛知県農業総合試験場 豊橋農業技術センター
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