医療用漢方製剤の歴史
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概要
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1944年に東亜治療研究所長板倉武は,漢方エキス剤による比較臨床研究を実施したが敗戦のために中断した。1961年に国民皆保険が実現し,漢方治療の保険給付が開始された。1967年にはじめて6種類の医療用漢方製剤が薬価収載され,1976年には42処方,60品目が一挙に導入された。2000年現在では,148処方,848品目に至っている。医療用製剤の薬剤としての承認基準は『一般用漢方処方の手引き』と題されて1975年に第1版が,2008年に改訂版が刊行された。1996年の小柴胡湯副作用問題が契機となり,2001年に日本東洋医学会にEBM委員会が設立された。委員会は漢方治療の臨床研究の収集と評価とを行い,2005年に最初の報告書を公表した。2001年になって,医学教育に和漢薬の知識が必修とされるにいたった。2009年に実施された漢方薬の保険適応除外に反対する署名活動の結果,国民の多くが漢方薬を医師による処方によって服用することを希望していることが判明した。
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