血栓形成機序を標的としたup-stream治療を考える
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概要
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生体内の血栓形成には,血流,血管壁,血液成分の異常が関与している.しかし,心房細動(AF)による血栓形成は,これまで心房内の血流異常が主要因と考えられ,血管壁や血液成分の検討はほとんど行われていなかった.われわれは,AF患者では,血管内皮細胞由来因子の一酸化窒素(NO)の産生低下や血小板接着分子P-セレクチンの発現が増加していることを世界に先駆けて報告し,血管壁や血液成分の異常もAFの血栓形成に関与している可能性を示した.このようなメカニズムの解明に伴い,AFの治療では,従来の抗凝固療法の徹底に加え,血管内皮機能改善や接着分子発現抑制をターゲットとした新しい治療法の開発が期待される.レニン・アンジオテンシン系抑制薬は降圧作用に加え,血管内皮保護作用,血小板活性化抑制作用など多様な生理作用を有し,心原性脳塞栓症の発症予防効果を有することが示唆されており,AFの有望なup-stream治療薬と考えられる.
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