水耕培養液へ添加するNaCl濃度がインゲンの蒸散速度に及ぼす影響の記述モデル
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概要
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インゲン(Phaseolus vulgaris L.)品種アーロンの幼植物体をHoagland No. 2液を用いて水耕育苗し, 第2本葉完全展開時に環境制御室(気温26℃一定, 相対湿度40%, 日長12時間, 光合成有効量子密度束800 μmol m-2 s-1)に移した. 1日以上順化させた後, 正午に培養液にNaClを添加して培養液のNaCl濃度を0〜200 mMとする処理を行った. 実験は少なくとも3反復した. 処理時の蒸散速度に対する処理90分後の蒸散速度の相対値(T)は50〜90 mMで大きくばらついたものの, 0と1の間の中間的値を取り, 反応は0か1的ではなかった. Tの平均値はxをNaCl濃度(mM)としてlogistic式T=0.825/(1+exp(0.0528(x-71.8)))+0.209によく当てはまった. 閾値付近におけるばらつきの増大は正規乱数項を導入することによってよく記述された:T=0.825/(1+exp(0.0528(x-71.8+11.1e)))+0.209, ここでeは標準正規乱数である. 植物画像の葉領域の重心y座標の処理時に対する相対値はTと高い相関があった(r=0.9182). 本報はストレス反応のばらつきに着目したものであるが, logistic回帰が用いられないような中間的な値を取る場合は, 本報で提案した方法が有用である可能性がある.
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