肛門悪性リンパ腫の1例
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概要
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直腸悪性リンパ腫は大腸に発生する悪性腫瘍の約0.2%とまれな疾患であり,その占拠部位は回盲部が約70%と最も多く,直腸はまれである.肛門悪性リンパ腫はさらに,極めてまれである.Bhamaらは,肛門悪性リンパ腫は直腸肛門部の悪性腫瘍の0.1〜1.3%と報告している.直腸肛門部の悪性リンパ腫は術前に直腸癌や炎症性疾患と診断され,手術により得た組織情報により確定診断がつく場合が多く,その治療法も確立されていない.予後は極めて不良といわれているのが現状である.われわれは痔核・裂肛の手術を契機に発見された悪性リンパ腫を経験したので報告する.肛門悪性リンパ腫は稀な疾患であるが,肛門診療において遭遇する場合があり,硬結などの異常所見を認めた場合は,必ず病理検査を行うことが極めて重要と考えられた.術後補助化学療法に関しては必要に応じて放射線療法,およびR-CHOP療法を行うことが有用であると思われた.
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