直腸癌術後縫合不全発症例に対する治療についての検討
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概要
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1995年4月から2007年12月までに当センターで吻合をともなう肛門括約筋温存手術を施行した直腸癌290例を対象として,術後縫合不全の発生率とその危険因子を分析し,縫合不全発症例の管理について検討した.縫合不全は290例中39例(13.4%),特にRb症例では70例中20例(28.5%)に認められ,男性・下部直腸病変・術前腸閉塞・糖尿病・長時間手術・大量出血症例で有意に多く認められた.汎発性腹膜炎を合併した2例は直ちに開腹ドレナージ+回腸人工肛門造設術を施行,37例では保存的に治療を行い30例は自然治癒したが7例は最終的に人工肛門造設術を施行した.男性,Rb症例,吻合時トラブル発症例,術後早期縫合不全発症例において瘻孔閉鎖が遅延する可能性が示唆された.これらの因子を持つ患者の場合は精神状態や社会的背景も踏まえて早期の人工肛門造設術を検討する必要があると考えられた.
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