肛門科診療施設における大腸内視鏡検査とadvanced neoplasia
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概要
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肛門手術前全大腸内視鏡検査(TCS)の意義を検討した.1992年1月から2010年5月まで当院での初回大腸内視鏡検査(CS)施行6,028例中各年毎に無作為に選んだ1,600例を対象とした.直径10mm以上の腫瘍ないしは癌をAdvanced neoplasia(AVN)とした.AVN群で有意にCS時年齢が高く,肛門出血例が多かった.115例に計130病変のAVNが認められ,62例は非癌腫のみを,53例は癌腫を有していた.癌腫の総計は58病変で粘膜内癌が11,粘膜下層癌が11,進行癌が36認められた.AVNは下行結腸以近に27%が発生していた.進行癌34例中11例(32%)は初診日に診断され,うち7例は前処置なしの緊急CSで発見された.肛門手術前CS 886例中51例(5.8%)にAVNが発見されうち18例(35%)では下行結腸以近にみられた.50歳未満群で癌腫は1病変であった.以上から肛門手術前に50歳以上ではTCSを行うことが望ましく,肛門出血を訴える初診患者では,丁寧な直腸内指診に加え緊急内視鏡検査が遠位大腸癌の発見に有用であると考えられた.
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