地球化学的手法と数値解析を用いた埼玉県狭山市の飲料工場で使用する地下水起源の判別
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概要
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食品原材料となる地下水の品質管理の問題が起きており,地下水の起源について水質特徴などの科学的根拠に基づいて判別する技術が必要とされている.本研究は,埼玉県狭山市にある株式会社フードケミファ新埼玉工場の井戸で採水している地下水と周辺河川水を対象に,水素・酸素安定同位体比等の地球化学的手法と3次元数値モデルによる地下水流動解析を用いて地下水の起源や流れを予測した.地下水の水質は関東平野西縁辺部の河川水と同様の重炭酸カルシウム型であり,河川水と比較してNa+とHCO3−に富む傾向にある.水素・酸素同位体比から,地下水の起源は入間川上流等の平野縁辺の河川にあることが推定される.数値モデルによる地下水流動解析では入間川上流域から新埼玉工場に向かう地下水の流れが予測され,主要陽・陰イオン濃度や水素・酸素安定同位体比から推定される地下水流動と整合的である.地球化学的手法と数値解析により得られた結果は従来の知見と矛盾せず,地下水起源の判別法としての可能性が示唆された.