食道癌に対する化学放射線療法後の食道粘膜像に関する検討
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概要
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「背景・目的」食道癌に対する化学放射線療法(以下CRT:Chemoradiotherapy)後の食道にみられる粘膜変化を明らかにするため検討を行った.「方法」食道癌CRT後の58症例(CRT群),食道癌内視鏡切除後の70症例(ER群),食道癌や頭頸部癌の既往がない105症例を対象とし(非食道癌群),食道粘膜の狭帯域フィルター内視鏡観察を行った.「結果」CRT後の食道粘膜に多くみられた変化は,緑色斑点状血管,錯綜血管,上皮乳頭内血管ループの消失,樹枝状・斜走血管破壊の4所見に分類できた.これら4所見はER群,非食道癌群に比べCRT群で有意に多くみられた.粘膜の異常所見の出現と各種因子との関連を検討した所,放射線を60Gy以上照射した症例で異常所見を多く認めた.「結論」緑色斑点状血管,錯綜血管,上皮乳頭内血管ループの消失,樹枝状・斜走血管破壊が食道癌CRT後の特徴的所見であった.これら所見は主にCRTにより生じた変化と考えられる.CRT後には,このような所見がみられることを認識し診断にあたる必要がある.
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