血胸で発症した胸膜孤立性線維性腫瘍の1例
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概要
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背景.胸膜孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor of the pleura:SFTP)は中皮下組織由来の稀な腫瘍である.症例.57歳,男性.脳塞栓症に対しワーファリンを内服していた.咳と呼吸困難感を主訴に当院を受診した.左特発性血胸と診断され,胸腔ドレーンを留置されたが,保存的治療では改善が見られず,開胸術が施行された.術中,左下葉に破裂した大きな壊死性の腫瘤が認められたため,血腫除去術に加え肺葉切除術が行われた.肉眼的には胸腔内に明らかな遺残病変は認められなかった.病理診断にて悪性SFTPと診断され,腫瘍は広範な出血性壊死を伴い,肺に浸潤していた.術後3ヶ月で腫瘍は局所領域に再発し,急速に増大した.腫瘍圧迫による呼吸循環不全により,その後間もなく患者は死亡した.結論.この症例報告は,稀な胸膜腫瘍の尋常でない臨床経過を提示する.SFTPが血胸で発症することは非常に稀である.また,完全切除されたこの腫瘍の予後は悪くないが,我々の症例では術後早期に再発し死亡するという悲惨な経過を辿った.
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