片側全無気肺をきたした中枢型扁平上皮癌と末梢型腺癌からなる女性同時性多発肺癌の1切除例
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概要
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背景.女性扁平上皮癌の多くは末梢発生型で,片側全無気肺をきたすような中枢型は稀である.また無気肺をきたす病変は,その診断や切除範囲の決定に苦慮することがある.症例.66歳,女性.喫煙指数150,癌家族歴あり.咳を主訴とし,胸部X線にて左無気肺を指摘された.気管支鏡を施行したところ左主気管支内腔を閉塞する白色隆起性病変を認め,これを鉗子にて切除し扁平上皮癌と診断された.無気肺は軽快した.左B3a内に残存する腫瘍を認め,CTでは上区中枢から肺尖にかけてlow density areaを認めた.左上葉切除を施行し,術後病理検査にてS1+2に乳頭型腺癌(pT1bN0M0)を指摘され,中枢型扁平上皮癌(pT2aN1M0)との間には閉塞性肺炎が認められた.結論.片側全無気肺をきたした中枢型扁平上皮癌と末梢型腺癌からなる女性同一肺葉内同時性多発肺癌の稀な1例を経験した.気管支鏡下鉗子切除によって閉塞部の末梢側の情報が得られ,左上葉切除にて完全切除することができた.
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