有限要素解析によって評価した人工股関節ステム初期固定性に対する近位横止めピンの効果
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概要
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セメントレス人工股関節の初期固定性とステム形状の間には関連がある.特に回旋方向にかかるような複雑な荷重に対しては機械的な固定が施された股関節ステム形状が良好な初期固定を得ると推測する.本報告においては北里大学のグループが開発したIMCステムの横止めピンを用いた特徴的な固定方法が初期固定に寄与するか否かについて有限要素解析を用いて明らかにすることを目的とした.解析条件は摩擦係数0.1,滑りを考慮したオートマチックコンタクト,大腿骨遠位端を拘束とした.荷重条件は,i)股関節周囲部における関節合力をステップ荷重として負荷した場合,ii)捻転を想定した回旋方向の荷重を負荷した場合,iii)歩行中に骨頭にかかる荷重を負荷した場合の3パターンを再現した.シミュレーションによりIMCステムのx軸方向,y軸方向,z軸方向,回旋方向の変位量を算出し,ステムと骨の応力を求めた.臨床上問題となる回旋変位量は他の人工股関節ステムを対象とした報告と比較して,IMCステムは低値を示した.いずれの荷重条件においても,z軸方向の変位量が低値を示したことより,シンキングの危険性は低いことが明らかになった.特徴的な固定部位である横止めピンは回旋を抑制するために機能しており,IMCステムの固定法は回旋安定性に寄与すると考えられた.特定の部位に応力集中は認められなかったため,IMCステムと骨の破損の危険性はないと判断した.初期固定に適当とされる応力値を有していることからIMCステムは良好な固定性が得られると推察した.
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