症例は70歳,男性.胆道気腫が入院契機となり精査の結果,胆嚢結腸瘻と萎縮胆嚢内の腫瘤性病変を認めた.さらに大腸内視鏡検査にて瘻孔開口部に隆起性病変を認め,生検から腺癌と診断した.胆嚢癌の結腸浸潤と診断し胆嚢摘出術,右半結腸切除術を施行した.病理結果では胆嚢癌が瘻孔内を片側性に粘膜内進展しており,進行胆嚢癌の結腸浸潤とは進展様式が異なった.胆嚢結腸瘻と胆嚢癌の関連を知る上で貴重な症例と考えられた.