食道前癌病変の診断・取り扱い―内視鏡診断を中心に―
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概要
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食道の前癌病変を,"上皮内癌と診断するには異型度が十分でない所謂,異形成(dysplasia)"とするなら,食道の前癌病変は,新しい食道癌取扱い規約の食道上皮内腫瘍に含まれる.EMRにて全生検を行い,dysplasiaと診断された23例24病変(2007年「胃と腸」発表13例14病変,以後3年間の10例10病変)を対象に内視鏡診断について検討した.23例24病変の内視鏡所見から,前癌病変は軽度隆起(10例11病変),軽度陥凹(4例),平坦(9例)の3つに分類された.1)軽度隆起は白色調(10病変)と発赤調(1病変)があり,表面に微細な凹凸をともなうも全体的には平滑な丈の低い隆起.2)軽度陥凹は,NBI観察にてIPCLの増生がないBAとして観察されるが,通常の白色光だけでは発見困難.3)平坦は,ヨード染色にて拾い上げられた不整形のヨード不染.いずれの病変も,ヨード染色では不染を示すが,その表面はヨードに淡染していた.表面の淡染が前癌病変に見られる特徴的な所見と考える.前癌病変に対する臨床的取扱いは,1)ヨード不染の形態から癌を疑う,あるいは,10mmを超える不染は,全生検目的にEMR,2)癌とはいえない不染,あるいは,大きさが10mm未満の場合は,3〜6カ月後に再検する.再検時は,拡大観察やNBI観察を行い,ヨード染色や生検は繰り返さない.
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