特定施設排出水中の溶存態ケイ素の実態調査
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概要
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溶存態ケイ素(DSi)は沿岸生態系において植物プランクトンの種構成を決める栄養塩であるが,人為活動,とくに事業活動影響の情報が不足している。そこで福岡県内の特定事業場排出水中のDSi濃度を分析し,排出負荷量を算定した。いくつかの事業場については製造・廃水処理工程によるDSi濃度の増減について調査した。その結果,次のことが明らかになった。1)事業場排出水のDSi濃度は範囲に幅があるものの,DSi濃度20mg・L-1以下のサンプルが全サンプルの82%を占めていた。2)排出負荷量については,41業種中の33業種(約81%)において平均値が10kg・d-1以下であるが,排出負荷量が平均値で100kg・d-1を超える業種も存在し,放流先のDSi濃度と排出水濃度との差が大きい場合には,周辺のDSi濃度に影響を与える可能性がある。3)排出水のDSi濃度は,用水源・製造工程・廃水処理工程により変化した。
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