世代間援助における夫側と妻側のバランスについての分析 : —世代間関係の双系化論に対する実証的アプローチ—
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概要
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父系的な規範に従えば,妻の親よりも夫の親との関係が優先される。しかし,日本においても,戦後の社会変動と人口変動のもとで,父系的な規範は弱まり,世代間関係の双系化についての議論が近年盛んになっている。本稿では,JGSS-2006のデータを用いて,別居親子に見られる夫側と妻側の世代間援助のバランスおよびその規定要因の偏りを分析している。社会において父系的な規範が弱まっている状況の下では,夫側と妻側を同等に扱う均衡化ベクトルだけでなく,援助の担い手である妻側の関係が優先されるベクトルも働いているという仮説について検証した結果,以下のような知見が得られた。(1)親からの援助のほうが,親への援助よりもバランスが取れている。(2)実践的援助のほうが,経済的援助よりもバランスが取れている。(3)援助の方向と内容にかかわらず,状況的要因は強く作用する。
- 日本家族社会学会の論文
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