イオンクロマトグラフィー/誘導結合プラズマ質量分析法及びエレクトロスプレーイオン化質量分析法を用いた水道水中の臭素の化学形態別分析
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概要
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イオンクロマトグラフィー(IC)と誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を組合わせたIC/ICP-MS及びエレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI-MS)を用いて,水道水中の臭素化合物の測定を行った.IC/ICP-MSを用いた標準添加法により,臭化物イオン(Br−),臭素酸イオン(BrO3−),ブロモクロロ酢酸(BCAA),ジブロモ酢酸(DBAA)及びブロモジクロロ酢酸(BDCAA)を同定した.更に,ESI-MSを用いて水道水中のBCAA及びBDCAAの存在を確認した.IC/ICP-MSを用いて水道水中の臭素化合物の定量を行ったところ,東京都内で採取した水道水及び千葉県で採取した水道水中から,Br−,BrO3−,BCAA,DBAA及びBDCAAが検出された.IC/ICP-MSを用いて水道水中の臭素を定量した結果,BrO3−の最高値は文京区の1.8 ng mL−1であり,飲料水中の規制値である10 ng mL−1より低かった.また,国内では規制されていないが,米国環境保護庁で規制されているDBAAが,東京都青梅市の水道水を除いてすべてで検出された.BrO3−及びDBAAは毒性を示すため,今後もモニタリングする必要がある.
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