長期療養型病院におけるノロウイルス対応への取り組み─実践対応型研修の開催─
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概要
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高齢者施設でノロウイルスによる感染が拡大した要因のひとつに,初動期に下痢や吐物等の汚物処理が適切に行われなかったことが挙げられる.当院では,汚物処理の実技演習を取り入れた実践的な研修を試み,看護師とそれ以外の職員・清掃員を対象として研修を行い,アンケートによる事後評価を行った.汚物処理方法と手順に関する自己評価については,介護職員90.5%,調理関係職員,清掃・事務員他では70〜80%が手順通りできたと評価していた.また,アンケートに回答した人のうち,感染症発生時の初期対応では,「その時にならないとわからない」が受講前には約三分の一を占めていたが,受講後には66.6%が「行動できると思う」と答えていた.それらの自由記載の中には「印象に残る」,「万が一,発生した場合でも,うろたえずに対応できそうである」という反面,「頭の中では知っているつもりでも実施してみると抜けることがあった」という記述もあった.これらの結果から一回の研修で全てを修得することは難しいが,繰り返し行うことができれば,より一層の効果が期待できると考える.したがって,実技を取り入れた研修は,初動期での具体的な行動に結びつくものとして有効な方法のひとつであると考えられる.
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