腎不全ラットにおけるcalcitriol, 22-oxacalcitriolおよびgrowth hormoneの副甲状腺機能亢進症の抑制効果
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概要
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5/6腎摘腎不全 (Ur) ラットにcalcitriol (D),22-oxacalcitriol (OCT) およびgrowth hormone (GH) を投与し,慢性腎不全に伴う副甲状腺機能亢進症の抑制効果を評価した。59匹のラットをsham (SC,n=9),Ur control (UrC,n=8),UrでD投与 (UrD,n=8),OCT投与 (UrO,n=9),GH投与 (UrGH,n=8),D+GH投与 (UrDGH,n=9) およびOCT+GH投与 (UrOGH,n=8) の7群に分けた。30ng/kgのDおよびOCTを連日14日間腹腔内に投与し,1.3IUのrecombinant human GHを14日間皮下注した。身長増加率,Ccr,血清Ca,血清P,尿Ca排泄量,n末端PTHおよび左大腿骨のCa/dry bone weightを測定した。身長増加率は各群において有意差がなかった。Ur群のCcrはSCより有意に低値であった。血清CaはUrD群のみが高値を示し,血清Pは各群において有意差がなかった。UrDおよびUrDGHは高Ca尿症を示した。UrDおよびUrDGHのPTHはUrCより有意に低値で,UrOおよびUrOGHのPTH抑制効果はUrDおよびUrDGHより弱かった。UrDGHおよびUrOGHの骨Ca量はUrCに比べて有意に高かった。これらの結果より小児慢性腎不全の副甲状腺機能亢進症の治療にはD+GHが有効であるが,高Ca尿症を注意する必要がある。
著者
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久野 敏
八幡製鉄所病院小児科
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James CM
バージニア医科大学小児科
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James CM
Department of Pediatrics, Medical College of Virginia