腫瘤内に空洞と鏡面像を認めた胚細胞腫瘍の1例

元データ 日本肺癌学会

概要

背景.胚細胞腫瘍は,一般的に化学療法に高い感受性を有するが,その一方で遅延なく治療を完遂するのは必ずしも容易ではない.今回,われわれは,肺内転移巣に細菌感染に伴う膿瘍を合併した胚細胞腫瘍(胎児性癌)に対しドレナージ,抗菌薬長期投与を併用しながら化学療法を完遂し,完全寛解を得た症例を経験したので報告する.症例.患者は37歳の男性.発熱と呼吸困難感を主訴に近医を受診し,肺癌が疑われたため,精査加療目的に当科紹介となった.胸部単純X線写真では左下肺野に鏡面像を伴う径10 cm大の腫瘤影,および両肺に多発する結節影を認めた.生検組織の免疫染色ではplacental alkaline phosphatase(pALP)陽性,CD30陽性の腫瘍細胞を認め,胎児性癌の診断となった.抗菌薬投与と膿瘍に対するドレナージを施行後,BEP療法(bleomycin+etoposide+cisplatin)を4コース施行し,完全寛解となった.結語.胚細胞腫瘍では,肺膿瘍のような重篤な感染症を合併している場合でも,適切な感染症への対応により化学療法を施行することが可能であると考えられた.

著者

平野 聡 国立国際医療センター呼吸器科
杉山 温人 国立国際医療センター呼吸器科
小林 信之 国立国際医療センター呼吸器科
工藤 宏一郎 国立国際医療センター国際疾病センター
小林 信之 国立国際医療センター戸山病院呼吸器科
竹田 雄一郎 国立国際医療センター戸山病院呼吸器科
森井 栄 国立国際医療センター戸山病院呼吸器科
平野 聡 国立国際医療センター戸山病院呼吸器科
竹田 雄一郎 国立国際医療センター
森井 栄 国立国際医療センター 腎臓内科
杉山 温人 国立国際医療センター戸山病院呼吸器科
工藤 宏一郎 国立国際医療センター戸山病院呼吸器科
杉山 温人 国立国際医療センター 呼吸器科
工藤 宏一郎 国立国際医療セ

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