浮遊炉における実験試料位置の適応制御システム
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概要
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浮遊炉(ELF)は,国際宇宙ステーション(ISS)への搭載が期待される材料科学分野の実験装置のひとつである.その主な特徴は,クーロン力により実験試料を電気炉内に浮遊させた状態で,溶融/固化実験を行えることである.われわれは宇宙ステーションの擾乱環境下においてこれを実現するために,3種類のそれぞれ特徴的な制御ロジックを考案した。しかしながら,1998年にこれらの制御ロジックを検証するために実施した小型ロケットでの試験飛行において,実験試料の位置が予想外に動揺する現象が観察された.その後の解析によりこの現象は,実験試料が高温になり,しかも加熱レーザが点灯しているときに制御力が低下して起こったことが分かった.実際のところ,ある一定以上の高温になったときにレーザの照射を受けると,実験試料の帯電量が顕著に減少することが知られている.これに対処するため,オンラインモデル推定法を応用した逐次最小二乗アルゴリズムを採用することで,実験試料の帯電量をリアルタイムに同定できる制御ソフトウェアを再設計した.計算機シミュレーションの結果では,帯電量が著しく変化する条件下においても,実験試料の運動をうまく制御することができた.結論として,本適応制御技術は静電浮遊炉のみならず,使用中にパラメータが大きく変動するような他のシステムにも適用可能な技術であると言える.
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