イギリス及びアメリカにおける動物実験規制の比較分析 : 日本の規制体制への示唆
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概要
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イギリスにおける動物実験の規制では,包括的な法律に基づき国家が一元的に,動物実験を行う人,施設,実験内容を管理する.アメリカでは,分立的な法制度の下で,機関内動物実験委員会を中心とした各研究機関の自主規制を基盤としている.そして,この自主規制を監督する制度が法律とガイドラインで規定されている. これらの規制に関する比較分析を踏まえて,日本の動物実験規制のあり方に関する二つの提案を行った.一つは,日本において動物実験規制ガイドラインを作成する場合,その規制原理 (理念) を「愛護」ではなく「尊重」とすべきであるという点,もう一つは,一定の担保された実効的な自主的規制メカニズムを構築するとともに,信頼に足る研究者の資質を研究者サイド自らが養成・保証する仕組みを構築し,一般社会に示す必要があるという点である.
- 社会技術研究会の論文
著者
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城山 英明
東京大学 大学院法学政治学研究科
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大上 泰弘
帝人ファーマ生物医学総合研究所
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神里 彩子
東京大学 大学院法学政治学研究科
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大上 泰弘
帝人ファーマ(株)・生物医学総合研究所
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城山 英明
東京大学 大学院 法学政治学研究科
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