戸田弘子論文「治療の場の<真(マコト)> について」は、その治療態度には賛意を表するものの、<真>の存在論的な位置づけやその構成要件が不分明である。さらに事例の解釈も恣意的に見える。<真>を「転移、逆転移の幻」から弁別する根拠を示す事が重要であり、解釈の妥当性を担保する方法論的な枠組みも必要である。<真>の明確化を期待する。