リグニンのCWM用分散剤としての特性
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概要
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3種類のリグニンを太平洋炭と幌内炭のCWMに添加し,その分散剤としての特性を粘度変化から検討した.炭種に関わらず,どのリグニンにおいても添加量が約6mg/g-coalでCWM粘度は最低となり,最適であることが分かった.粘度が1,000mPa· sに達する実用上の最大石炭濃度をこの最適リグニン添加量において調べると,太平洋炭では無添加時の58.3wt%から65.7wt%,幌内炭では59.2%から67.3%まで増加した.石炭粒子へのリグニンの吸着量を調べると,どのリグニンにおいてもほぼ6mg/g-coalの添加量で吸着量は飽和に達し,最適添加量と一致した.また,リグニン吸着による石炭粒子のゼータ電位の変化は,3種類のリグニンの内,スルホン化リグニン以外は見られず,リグニンによる石炭粒子の分散は主として立体反撥効果によるものと考えられた.さらに,経済的な観点からリグニンと分散能力の高いPSSNaの併用効果について検討した.その結果,リグニン添加によりPSSNaの分散効果はむしろ低下した.これは,リグニンが石炭粒子上にPSSNaよりも選択的に吸着するためと考えられた.
著者
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樋口 健志
山形大学工学部 物質化学工学科
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黄 定国
山形大学工学部 物質化学工学科
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佐藤 志美雄
山形大学工学部 化学工学科
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佐藤 志美雄
山形大学工学部物質化学工学科
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會田(村形) 忠弘
山形大学工学部物質化学工学科
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