移動床循環方式による石炭燃焼排ガスからのCO_2回収技術の適応性
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概要
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石炭の燃焼排ガスからのCO2回収技術として,石炭火力発電所構内に50m3/hのテストプラントを設置して,物理吸着法・移動床循環再生方式の適応性を評価した.移動床循環再生方式は排ガスを,吸着材が充填されている吸着塔に連続的に通気してCO2を回収するシステムである.吸着材は再生塔に移動して加熱,減圧により再生されて,循環する.本プロセスの特徴はCO2回収のエネルギーが少なく,容易に高純度の回収CO2が得られることである.テストプラントの延運転時間は約8,500時間を達成している.また,520時間の連続運転を行った.その結果,長時間にわたりCO2回収率90%,回収CO2純度99%以上を確認し,本プロセスによるCO2回収は技術的には可能であるとの見通しを得た.CO2回収の消費エネルギーは電力消費量が263kWh/t-CO2,熱消費量が3.66× 106kJ/t-CO2であった.電力量は冷凍機,排ガスブロワー,熱量は再生塔加熱蒸気の消費量が多かった.なお,本プロセスは乾式であるため装置材料の腐食対策が不要で耐久性,保守性に優れ,かつ吸着材(ゼオライト)の安全性も高く,環境保全性が高い.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2002-09-20