日本における北方研究の再検討 : ―自然誌―自然と文化の人類学―の視点から―
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概要
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北方文化とは北方地域独自にみられる生活様式―生態,社会,文化―であり,進化史的には新人(ホモ・サピエンス・サピエンス)の北方ユーラシアへの進出と北アメリカへの拡散にさかのぼり,現在に至るまで変化しながら継承,展開している北方地域文化の総体である。この定義に基づき,本稿では日本における北方研究の変遷と成果を,探検の時代(4世紀―19世紀中葉),学究の時代(1868年―1945年),世界の時代(1946年―2000年)について再検討した。その結果,北方研究の研究対象はアイヌ文化から広く北方ユーラシア,日本,北アメリカを含む北方周極地域諸文化へと展開し,研究方法も民族学・民俗学から自然と文化の人類学―自然誌―へと変遷し,さらに研究目的も日本人と日本文化の起源を明らかにすることから,「人間とは何か」という人類学の普遍的課題の解明へと変化してきたことが明らかにされた。最後に,北方研究が人類の普遍性の探究へと展開していることをふまえ,21世紀が人類学にとって人間性の時代となることが展望された。
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