北部九州の縄文〜弥生移行期に関する人類学的考察(2)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
北部九州において我が国でいち早く起きた縄文時代から弥生時代への変革は,どの様な人々がどの様なかたちで実現したのだろうか。日本人の起源問題とも関連する残された課題の一つであるこの疑問については,先に人骨形態と集団遺伝学的解析とを組みあわせた論考(中橋・飯塚,1998; Iizuka and Nakahashi, 2002)を発表しているが,その後,AMS炭素14年代測定によって弥生開始期の年代を500年程度遡らせるべきだという見解が発表され,これまでの弥生時代の年代観に大きな修正が加わる可能性が浮上した。そこで,従来は200〜300年に想定した弥生時代早期から前期末までの年代幅を最大800年まで拡張して,改めてこの間の縄文系と渡来系の人々の人口変化について数理解析を行った。その結果,年代幅が長くなるにつれ,渡来系の人々にとってより緩やかな人口増加率でも弥生時代前期末までに縄文系の人々を圧倒するような人口比の逆転が可能であることが示された。
著者
関連論文
- 北部九州の縄文〜弥生移行期に関する人類学的考察(2)
- 医療コミュニケーションのための患者の歯科用語理解度調査
- Compensatory Neutral Mutation Model with Dominance (Mathematical Models and Stochastic Processes Arising in Natural Phenomena and Their Applications)
- 台湾大学医学院体質人類学研究室所蔵の人骨
- Genetic Risk of Domestication in Artificial Fish Stocking and its Possible Reduction
- 1SA1-05 タンパク質共進化機構の集団遺伝学的考察(1SA1 タンパク質間相互作用研究の手法としての共進化解析,第47回日本生物物理学会年会)
- 古人骨から探る日本人のルーツ
- 日本の古人骨に関する文献 (1995〜2000年) 付・補遺(1945〜1994年)
- 日本の古人骨に関する文献(1990〜1994年)付・補遺(1945〜1989年)
- 台湾大学医学院所蔵の先史人骨及び原住民骨に見られた風習的抜歯痕
- 北部九州の縄文〜弥生移行期に関する人類学的考察
- 九州大学出展人骨資料
- 九州地方出土縄文時代人骨の形態学的特徴 : 東京大学総合研究博物館所蔵標本資料について
- 集団遺伝学と確率過程
- Infinite Allele Model with Fluctuating Population Size and the Effective Size of Population (Mathematical Models and Stochastic Processes Arising in Natural Phenomena and Their Applications)
- 集団の確率変動と有効個体数 (測度値確率過程に関する確率解析)
- 現代数学スナップショット 確率論のいま--集団遺伝学と拡散過程(後編)
- 現代数学スナップショット--集団遺伝学と拡散過程(前編)
- 互助的相互作用による進化の確率モデル
- 西に東に : ―シリア・パルミラと中国での海外調査―
- 台湾大学医学院体質人類学研究室所蔵の人骨
- 北部九州の縄文-弥生移行期に関する人類学的考察(2)
- 台湾大学医学院所蔵の先史人骨及び原住民骨に見られた風習的抜歯痕
- ショ糖とケストース共存下の納豆菌レバンスクラーゼによるレバンとオリゴ糖の合成について
- 西に東に : シリア・パルミラと中国での海外調査