一酸化炭素を還元剤とする一酸化窒素の選択還元に対するモノリス型シリカ担持イリジウム系触媒の性能

概要

論文の詳細を見る
我々のグループは，これまで一酸化炭素を還元剤とする一酸化窒素選択還元触媒反応において，Ir/SiO2触媒およびタングステン，バリウムを添加した改良触媒（Ir/WO3-SiO2，Ba/Ir/WO3-SiO2）が高い活性を示すことを報告してきた。しかし，いずれも粉体触媒を用いた検討であり，その結果から各触媒の実用性能を比較し応用を考えるのは難しい。そこで，これらの触媒をモノリス状に調製し，活性，耐久性を検討した。モノリス状の各触媒についてモデル排ガスを用いて200℃から600℃の間で昇降温を繰り返し活性試験を行ったところ，いずれの触媒も最初の昇温過程では活性が低いがそれに続く降温過程以降では高い活性を示し，反応の繰返しにより徐々に最適反応温度が高温化するとともに活性が低下した。粉体触媒の結果と比較すると，いずれの触媒も最高活性温度，CO酸化温度とも大幅に高温化し，特にタングステンを添加した触媒でその影響が大きかった。単位触媒重量あたりのガス処理量の増加やモノリス化による熱·物質移動の変化により差異がでたと推定された。一方，繰返し試験後の触媒活性序列と触媒劣化の速度は粉体触媒の結果と関連づけられた。劣化後の触媒ではいずれもIrO2の生成が確認され，還元再生できたので，劣化原因はイリジウムの酸化によると考えられた。Ba/Ir/WO3-SiO2が最も高い性能を示し，Ir金属の分散度が高くかつIr金属の耐酸化性が高いことが見出された。SO2が共存しない反応ガスを用いた反応試験において，酸化タングステンを含む担体を有する触媒ではSO2の影響は少ないが，Ir/SiO2触媒では大きな影響があることが確認された。

一酸化炭素を還元剤とする一酸化窒素の選択還元に対するモノリス型シリカ担持イリジウム系触媒の性能

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク