マヘグロフタヲカゲロフ (蜉蝣目) の性染色體
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概要
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マヘグロフタヲカゲロフ (Ameletus costalis Mats.) の精原細胞染色體數 (〓, 2n) は18で核型は 1V+2vs+15rs (V, v; 夫々大形及び小形 V 形染色體. r; 小形棒状染色體) の構成を持つてゐる。雌の2n染色體數はやはり18であるが, 2Vs+2vs+14rs の構成を持つてゐる。雄と比較すると大形のVが雌に1個多く, 最小のrは雄に1個餘計ある。即ち雄に於いては最大形の1個のVがXを, 最小のrがYを代表し, 雌に於いては最大形の2個のVがXXを表はすものである事は雄の成熟分裂の研究によつて明白である。即ち第一精母細胞分裂の側面觀を見ると9個の四分染色體の中最大の1個だけがX-Y複合體を形成してゐる。XはV形でその一方の腕に小形の粒状染色體 (Y) が結合してゐる。第一分裂ではXとYは必ず分離するので, 第二精母細胞にはXを含む細胞とYを含む細胞を生ずる。從つてそれより生ずる精子にもXとYに關し2型が區別されるわけで, これによつて現在まで未知であつた蜉蝣目は雄性接合子がXY型 (ヘテロ) である事が確立された。本種の核型を近縁關係にある蜻蛉目〓翅目及び脈翅目等に比較すると, 前者よりもむしろ後の二者に類似した所の事實が見出される事は興味がある。
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