渡良瀬遊水地における繁殖期のクイナ・ヒクイナの生息状況と生息環境
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2005年 5月中旬から 8月下旬,2006年 4月中旬から 8月下旬にかけて,栃木県藤岡町から小山市の渡良瀬遊水地で,カセットテープレコーダーから鳴声を再生してクイナとヒクイナの繁殖期における生息分布,個体数,生息環境の調査を行なった.2005年には110地点,2006年には140地点で鳴声再生を実施した結果,クイナおよびヒクイナの生息が2005年には20地点と 2地点,2006年には16地点と 2地点でそれぞれ確認された.しかし,同一個体の可能性のあるものを除くとクイナは2005年が12羽,2006年が10羽,ヒクイナは2005年,2006年とも 1羽と推定された.クイナおよびヒクイナが生息していた場所は,20cm以下の深さで地表に水があるヨシやスゲ類が繁茂する環境で,下層植物のない乾燥したヨシ原ではまったく記録されなかった.渡良瀬遊水地におけるこれら 2種の生息分布は,著しく限られていた.これは,渡良瀬遊水地の多くが,乾燥したヨシなどの高茎草原からなっていることが理由の 1つと考えられた.クイナ類など湿地性鳥類の良好な生息地を創出するために,人為的な掘削などによる湿地性環境の再生が必要と考えられる.
論文 | ランダム
- ヒバエンのNMRスペクトルにおけるメチル基の吸収の帰属
- トロポロン類のニトロ誘導体-4-
- Displacement of Apical Oxygen of the Oxide Superconductors below T_c
- 水稲新品種「八反35号」の育成について
- Proposal of trajectory generation for redundant manipulators without inverse matrix calculation and application to consumed electrical energy minimization