脱着過程の濃度範囲で極大値を持つ場合を含む濃度依存 Diffusivity の積分型収縮座標拡散方程式に基づく算出
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概要
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収縮座標拡散方程式は脱溶媒に基づく体積収縮を自動的に考慮する点有用であるが, その濃度依存diffusivityは初期溶媒濃度が高く広い濃度範囲にわたる脱着過程では必ず極大値をもつ. このような場合を含む脱着過程につき, 積分型収縮座標拡散方程式に基づき, (diffusivity積分値)/(脱着速度×脱着達成率)を算出する方法を示した. このとき, 濃度分布の0次と1次モーメントの関係式, および (平均濃度/中心濃度) の比を脱着速度マスター曲線より算出する経験式を用いた. (diffusivity積分値) と (脱着速度×脱着達成率) は共にpenetration periodで一定値をとる. この両者の比は, 中心濃度と点綴すると単調に減少しregular regimeの最終段階で0.65の一定値に収束する. この比をpenetration period終点, およびregular regimeで算出する式を示し, また, (平均濃度/中心濃度) との関係を示す図を得た. 表面濃度一定で初期濃度を種々変え得られた脱着実験データより (diffusivity積分値)/(脱着速度×脱着達成率) を算出し, これらをまとめて (diffusivity積分値) vs. 中心濃度の関係に点綴し, これを中心濃度で図微分することにより, 濃度依存diffusivityおよび相互拡散係数が濃度の関数として算出される. 指数関数型, べき乗型のモデル式のほか, diffusivity濃度依存性に極大値を示す系として食品水溶液 (sucrose-H2O) および高分子溶液 (PVA-H2O, polystyrene-ethylbenzene, polyimide-parachlorophenol) につき濃度依存拡散係数の実験式を用い収縮座標拡散方程式に基づく数値解を求め, 上記解析を行うとともに濃度依存拡散係数算出法を検証した.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2004-07-20
著者
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