充填精度に優れた凝集結晶を得る晶析プロセス開発
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概要
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注射用セファロスポリン剤ウィンセフは得られた無菌原薬をそのまま粉末充填する製剤処方が採用されたことから, ウィンセフの比容, 平均粒子径に及ぼす晶析温度, 過飽和比, 撹拌速度, 種晶の影響を検討し, 充填精度に優れたウィンセフの球状凝集結晶が得られる晶析条件の設定を行った. 初期過飽和比が高いほど比容は小さくなり, さらに, 一次結晶の成長と凝集過程の阻害から最適な撹拌数が存在することが判明し, 単位体積あたりの所要動力がスケールアップ因子として適用できることが明らかとなった.500l 晶析槽でのスケールアップ実験で得られたウィンセフを用いて粉末充填を行った結果, 期待する充填精度が得られた. さらに生産スケールである3000l でも求める粉体特性を有するウィンセフが再現性よく得られた.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2004-11-20