成人期を中心とした親に対する感謝の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は、成人期における親に対する感謝について明らかにすることである。20代、30代、40代、50代それぞれ100名(男性50名、女性50名)の合計400名にweb調査を実施し、父親と母親に対する感謝を尋ねる各20項目と、親と普段会う頻度、結婚と子どもの有無、親の老いの認知への回答を求めた。その結果、次の3 点が示された。第1に、「援助してくれることへのうれしさ」「生み育ててくれたことへのありがたさ」「今の生活をしていられるのは親のおかげだと感じる気持ち」「負担をかけたことへのすまなさ」という親に感謝しているときに感じる4種類の気持ちと「自分が苦労しているのは親のせいだと感じる気持ち」は、青年期だけでなく、成人期における親に対する感謝の心理状態を理解する上でも有効であることが示された。第2 に、父親に対する感謝を感じる程度に年代差はみられなかったが、「今の生活をしていられるのは母親のおかげだと感じる気持ち」は20代よりも50代の得点が小さく、「自分が苦労しているのは母親のせいだと感じる気持ち」は30代よりも50代の得点が小さかった。第3 に、男女共に親の老いを認知していることで親に対する感謝を感じる傾向があり、男性ではその傾向が顕著であることに加え、父親に対する感謝を感じる程度と子どもがいることとの関連がみられ、女性では親と普段会う頻度との関連がみられた。
- 和洋女子大学の論文
和洋女子大学 | 論文
- 塩触媒による木綿およびラミーとフェニルグリシジルエーテルとの反応 -触媒効果-
- 少数民族と援助の社会的影響
- 女性における男性性の発露としての化粧 : 女子学生に対する質問紙調査から
- 市川市の働き盛り世代の生活習慣に関する研究 : 市川市受託研究活動報告
- 中高年女性の運動習慣に影響する要因の検討