胃癌からの転移性大腸癌の1例
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概要
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症例は47歳, 男性. 胃癌の診断にて胃全摘, 膵体尾部切除, 脾臓摘出術施行され, 化学療法施行後, 外来受診中であった. 初回手術から4年2か月目の大腸内視鏡検査にて横行結腸にIIc様病変を認め, 粘膜下層浸潤大腸癌の術前診断のもと, 横行結腸部分切除術施行した. 切除標本上, 腫瘍を2か所に認めた. 大腸腫瘍の組織像は, 胃癌の組織像と類似していた. 腫瘍の主体は粘膜下層にあり, 粘膜内に腫瘍はあるが粘膜全層を置換しておらず, 漿膜下層~粘膜下層の癌が浸潤したものと考えられた. 以上より, 大腸の腫瘍は大腸原発ではなく胃癌の転移によるものであると診断した. 転移形式は転移巣のリンパ管侵襲強くリンパ行性が最も考えられた. 胃癌手術から9年2か月, 転移性大腸癌手術から5年2か月目に再発, その半年後に死亡した. 胃癌からの転移性大腸癌の長期生存例は稀であることから報告する.
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