小規模種苗会社による地方品種遺伝資源の管理と地域適応品種育成における農民参加の可能性
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概要
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農業先進国オランダにおいて実施した地方品種遺伝資源の管理の現状に関する現地調査を実施した。調査対象は以下の組織および個人である。(1)自家採取種子のみを多品目販売する小規模種苗会社de Bolster,(2)有機農業に関する幅広いコンサルティングおよび研究を行い,現在,農民に対して種子生産および育種に関する研修コースを開催している民間団体Louis Boulk Institute,そして(3)契約者に有機農産物を宅配する農場de Horsterhofを経営し,研修コースを受講後,そこでキャベツの地域適応品種の選抜を開始したvan Oostwaard氏。この立場が異なる3者について,それぞれの取り組を整理し,各組織・個人の役割および関係性について明らかにした。その結果,オランダにおいては,農家が地域適応品種を選ぼうとしたときに,不充分ながらもその母集団となる在来品種が種子会社によって維持されており,農民の選抜に対する知識・技術を研修する組織も存在していることが,このような農民参加型品種選抜を可能にしていた。
- 信州大学農学部の論文
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